輪 (WA) - プレビュー

2021年は私たちにとって変革の幕開けとなることでしょう。新たなアメリカンIPAをシリーズ化し、瓶製品から缶製品への移行も進んでいます。更には3年ほど造り続けた定番商品のレシピ変更にも踏み込みました。そして今回、私たちの故郷である京都を讃えるビールのシリーズの第一弾をお知らせできることを嬉しく思います。

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京都にある組織、団体、人などに焦点を当て、地域社会に貢献できるようなビール造りを目的として、このご地愛シリーズを立ち上げました。第一弾は、創業以来私たちを支えてくださっている京都の常設店の方々と共同で造り上げた「輪」であり、その造り方やコンセプトは新しい方法で決めることとなりました。

アイデアを共有しながらビール造りに取り組むために、スタイルだけでなくホップの品種やアルコール度数など、細かな情報もそれぞれに投票を行っていただきました。集計してみるとセゾンとIPAに人気が集まったので、この2つを組み合わせたものを造ることとしました。ホップの使い方に関しては現代的な手法を好む票が圧倒的多数でしたので、苦味よりも味わいと香りに注目し、強い柑橘の特徴があるホップを選定しました。

投票だけでなく、仕込み日には実際に醸造所に来ていただく予定でしたが、緊急事態宣言が発令されており、残念ながらそれは叶わずでした。その代わりに、当日の様子をライブでストリーミング配信し招待しました。実際にあまり目にすることのない醸造の工程を知って もらうことは、コラボレーションの甲斐があったと感じています。

そして今、たくさんのアイディアを詰め込んだセゾンIPAが仕上がりました。私たちのハウスイーストはドライで飲みやすい後味ながらも、ホップと相性の良いフルーティーな味わいを醸します。ホップの香りは柑橘が際立っており、その裏にハーブや青々とした清涼感がありセゾンの特徴もあります。この新たな試みがどのような結果になるのか、不安な面もありましたが、良い形にすることができて大変嬉しく思っています。そしてこの「輪」の缶では、京都出身のイラストレーターで私たちの友だちでもある楠木雪野さんが今回のプロジェクトにぴったりなラベルイラストを手がけてくれました。常設店の方々と力を合わせて造り上げたこのビールを、皆様と共に味わえることを楽しみにしています。