新シリーズ2022「六遊記 -6 JOURNEYS-」
これまでコンセプトに合ったビールを発表してきたシリーズ群の中で、予定していた取り組みが一巡したものや私たちが叶えようとしているコンセプトがうまく反映されていないと判断したものにいったん終止符をうち、それと同時にいくつかの新しいシリーズを創設しようとしています。(過去の投稿:私たちの「目的」と「シリーズ化」、新シリーズ2022 「帰還 -REDISCOVERY-」)
今回は新しいIPAシリーズの紹介です。IPAは言わずもがな、現代のクラフトビールシーンにおいて最も人気のあるビアスタイル。かつては防腐効果を期待してホップをたくさん使用し、その副産物である苦味が大きな特徴のひとつでしたが、今では多種多様なホップが続々と登場したことで、世界中の醸造所がこぞって魅力的なIPAをつくるようになりました。そして今日では元々のスタイルから派生した新しいIPAも多くみられ、このアルファベット3文字が包括するビールの幅の広さにしばしば驚かされます。
昨年は私たちも、このIPAの多様性に目をつけ、6つの味覚をテーマにしたIPAを造る「六味六色」シリーズを展開しました。このシリーズを通して、想像を超えるような味わいを生み出したり、他の原料の個性に働きかけるホップの新しい魅力を作り手としても存分に経験することができました。
そして、今年は少し形を変えて、このホップ・IPAを巡る旅をこの続けたいと思い、新しいシリーズを作ることにしました。現代のクラフトビールを席巻するアメリカンスタイルのIPAを離れ、ホップの産地や独自のビール文化を持つ6つの国に焦点をあて、1年を通して6つのIPAを作って周る、まるでホップ旅行記のようなシリーズ、「六遊記 -6 Journeys-」。ホップは世界各地で古くから生産されていて、世界がここまでグローバルになる以前の地産地消が基本だった時代にその土地に合ったビール文化が息吹いたということを想察しながら、その国を表すようなIPAを造るのが狙いです。
さぁ、興味が惹かれたあなたもぜひ飛び乗って、一緒に旅に出ましょう!
いったいどんな旅になるか、まだ始まったばかりなのでわからないことばかりですが、決して退屈なものにはならないでしょう。ゆく先々できっと新たな発見が待ち構えてるはずです。