甘 (KAN) - プレビュー

2021年は型にとらわれないIPAに挑戦するために「六味IPA」シリーズが始動します。第一弾は「甘」に焦点を当てました。本来は苦いはずのIPAのイメージとは相反するテーマのこの作品がどのような仕上がりになっているのか、お伝えしたいと思います。

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先日の別な記事で詳細をお話したように、IPAスタイルの均質化は六味IPAシリーズを生み出すきっかけになりました。IPAの味わいが偏るようになるにつれ、様々なIPAをとおして六つの味覚(甘・酸・塩・辛・苦・旨)の表現を探求することで、このスタイルにはもっと色んな可能性があることを思い出してもらえるのではと思いました。そのため、このシリーズの新作は年間を通じて定期的に発売し、それぞれ異なる味わいを追求します。 第一弾は「甘味」に挑戦しています。ご心配なく。乳糖とバニラを使った甘いIPAを造るわけではなく、ホップの香りと味わいから来る「甘味」のニュアンスと苦味を、煮沸の工程ではないところで表現することを目指しました。そのために苦味が穏やかで、なおかつ香りと味わいの良いホップを選択しました。Citra、Ekuanot、Sabroはオレンジ、アプリコット、パッションフルーツ、ココナッツの印象を与えてくれています。モルトはGolden Promise、Viennaモルト、小麦を使用し、少し甘くて丸い印象のベースに仕上げています。さらにココナッツミルクを組み合わせることで、ホップの甘味の特徴をさらに増幅させ、これがまたIPAらしさの一端を担っています。 IPAとは何か?という私たちの挑戦の幕開け。皆様からどのような反応をいただけるのか、ワクワクしながらお待ちしています!