Heretic Brewingとのコラボ(2021年版)

コラボで仕込む仲間シリーズの最新作は、新しいことだらけです。カリフォルニア州FairfieldのHeretic Brewingとは何度もコラボしてきましたが、今回はリモートで、しかもKBC初のデザートスタウトに挑戦します。

先日の投稿でもお話したように、Jamil Zainasheffと彼の醸造所は私たちにとって特別な存在です。2017年から毎年彼の日本訪問に合わせてコラボしてきましたが、2019年はスケジュール調整が難航し、続く2020年は世界的なパンデミックで、最後にコラボしてから3年近くも経ってしまいました。互いの醸造所を訪ねて仕込むのはコラボの醍醐味ですが、これ以上は待つことができず、2020年最後の週にリモート仕込みに初挑戦することにしました。

KBCにとっては初めてのスタイルを選んだので、まったく新しい技術を学ぶとともに新しい観点からビールに取り組む必要がありました。名前から想像がつくように、このスタイルは基本的にグラスに注がれたデザートで、アルコール度数が高くとても甘いのが典型です。これは、チョコレート、コーヒー、ラクトースなどの原材料を使うことに加え、ふだんドライで飲みやすいビールに注力している醸造所にとって、かなり異例のことです。

私たちはJamilやHereticのメンバーと進めていく中で、モカサンダーというテーマを思いつきました。日本中で愛されているブラックサンダーのコーヒーバージョンです。コーヒーは長年の友人、かもがわカフェの大ちゃんから仕入れたもので、彼の得意な豊かで香ばしい深入りの特徴がよく出ています。今回はチョコレート菓子っぽい味わいを出すために、以前使ったカカオニブではなく、12kgのココアパウダーを加えました。さらにポリガイル製法に少量のラクトースを合わせることで、リッチで甘美な口当たりを生み出しました。麦芽のうち35%はスペシャリティモルトで、トーストのような風味の麦芽、ローストモルト、クリスタルモルトを組み合わて、ブラックサンダーのクッキーの部分を表現しました。アルコール度数が10%もあるスタウトなのに、ダークモルトとラクトースの甘さのバランスがちょうどよく、飽き飽きすることはありません。

モカ雷神」はオンラインショップにて購入が出来ます。

このユニークなビールを飲んでいただけるのを楽しみにしています!