胡蝶の夢 (Butterfly's Dream)
¥730
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Vertereとのコラボは、菌で始まりホップで締める、香り高いベルジャンサワーIPA
・エビやホタテのグリル(ライムやレモンを添えて)
・パイナップルやマンゴーを使ったサラダ
・レアチーズケーキ
コラボビールを作る際、私たちはできるだけ相手ブルワリーの「味」を取り入れるようにしてきました。これには、味と一口に言ってもいろいろあって、副原料を使うことや新しい製法、ビールの肝となる酵母の選択、さらには相手が得意とするスタイルの選定などがあります。そこで、乳酸菌(ラクトバチルス菌、Lactobacillus Brevis)を使ったサワーエールを得意とするVertereとコラボの話をしたとき、私たちがこれまで試したことのない方法で彼らの味を取り入れる良い機会だと考えました。
しかし、この乳酸菌というのは、そんな気軽に取り入れられる代物ではありません。私たちがこれまで行ってきたケトルサワリングとは違い、菌を直接タンクに投入するという方法です。この菌はフルーティーですっきりとした酸味を生み出す一方で、ビールを劣化させる原因となる腐敗菌、つまり扱い方を間違えれば"ビールの敵"でもあるのです。そのため、醸造所内にこの菌を意図的に持ち込むことは、大きなリスクを伴うということで、万全な安全対策を必要としました。
この菌が他のビールに混入しないように、タンクに接触したすべての設備を隔離し、徹底的に清掃するなど、たった1細胞たりとも隣のタンクに移ってしまわないよう細心の注意を払って対策しました。さらに、社内の品質管理を目的とするQAQCラボにおいても、通常以上に厳格な検査を実施し、クロスコンタミネーション(交差汚染)が発生するリスクをゼロにするよう努めました。
このような神経をすり減らすようなストレスがかかったという話はさておき、ビールについて紹介しましょう!
ベースとなるビールは、小麦とオーツをたっぷり使用したベルジャンIPA。トロピカルで柑橘系の香りを持つシトラと、パッションフルーツや柑橘系の香りを持つエッガーズ社のリワカを組み合わせて使っています。さらにもうひとつ、米国のインディホップス(小規模な独立系ホップ会社)の中から特徴的な品種を選ぶことになり、私たちの方はピーチやマンゴー・レモネードのような風味を持つ「ルミノーサ」を選びました(一方Vertereは、新鮮なフルーツのような風味を持つ「ローリエン」というホップを選択しました)。ベルジャンIPAの極めつけに、シムコーを加え、乳酸菌由来のフルーティーな酸味と調和する、柑橘系アロマの層を形成させました。
そして、ホップのもつ殺菌効果を利用し、大量のホップを投入することで、乳酸菌の活動を止めてしまいます。苦味は控えめにしつつ、ベルギー酵母のエステル香とホップ&乳酸菌のトロピカルなフレーバーが一体となった、唯一無二のIPAに仕上がっています。 多くの試行錯誤と愛(そしてストレス!)をたっぷりと注ぎ込んだこのベルジャンサワーIPA、ぜひ楽しんでいただければ嬉しいです!