生まれ変わる一意専心
2021年、ここ京都醸造ではたくさんのことが変わりつつありますが、まず何よりも定番の各ビールのレシピ改訂です。先日投稿したブログで、私たちの代表的なセゾン、一期一会の変更について詳しく述べました。次は、黒潮の如くに取り組んでいきます。しかし、今回はベルジャンIPA、一意専心についての変化を見ていきましょう。
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京都醸造と一意専心
IPAは確実にクラフトビールと切っても切れないスタイルですし、それには納得がいきます。よくできたIPA、そしてその魅力的なホップのアロマとフレーバーを好きにならない理由がありますか?セゾンには内緒ですが、IPAはメニューにあれば迷うことなく頼むお決まりのスタイルです。年間のラインナップにIPAを入れることはすんなり決まりましたが、難しいのはどんなIPAにするかということでした。私たちが気づいたのは、このビールは創業時に着想を得た、アメリカンとベルジャンスタイルのかけ橋となるのにふさわしいスタイルだということでした。そのため一意専心は、フルーツのようなベルギー酵母の特徴と結びつけつつ、柑橘の特徴が全面的なアメリカンIPAと、土っぽくハーバルなヨーロッパ産ホップの中間的なところを目指してできました。
なぜ変えるのか
これは立派な目標ですが、一意専心はいろいろと欲張りすぎて、よくわからないビールになってしまうことに気付き始めました。モダンなホップへの欲求を満たすほどに柑橘の特徴はなく、苦味が強すぎてホッピーなベルギービールを思わせるほどの酵母らしさがありません。この相互作用がうまくいくと、他に類のない、信じられないほど複雑なIPAになるのですが、ベストな仕上がりでないと、いつもある特徴だけが強く出てしまう傾向がありました。
どう変わったのか
私たちは、前進する最善の方法は、実際には一歩後退することだと決めました。一つのビールであまりに多くのことを表現しようとする代わりに、IPAの象徴である柑橘らしさという基本に立ち返ることが最善の道だと考えました。
ホップの品種は6種類から3種類に減らし、クラシックなCascadeとCentennialホップを中心に据えました。ホップの総量はほとんど変わっていませんが、そのシャープなグレープフルーツとオレンジの特徴が、ハウス酵母のフルーツ感とできるだけうまくまとまるように、使うタイミングを変えました。さらに、ミュニックモルトを加えることでフレーバーとボディに厚みを出し、美しい黄金色に仕上げました。こうした変更を組み合わせることで、ずっといろいろなシーンで飲みやすく、わかりやすく、年間を通じて仕込みやすくなりました。
まとめ
前の一意専心を懐かしむこともきっとあるでしょうが、やってきた変更の結果は、これまで築き上げてきた京都醸造らしさをずっとよく表現していることに100%自信があります。それはつまり、新世界のホップのフレーバー、アロマ、醸造技術とベルギー酵母の組み合わせです。昔からのお気に入りが、新しくなって年間のラインナップに再登場することを、みなさんも喜んで歓迎してくれますように!