大きな節目を迎える2025年

明けましておめでとうございます。
また新たな一年が始まりました。

年の瀬に共同創設者のポールから、2024年のふりかえりに関する投稿がありました。(「創造性を再び手にして - 2024年の振り返り」)2024年は、創業した初年度以来の最もクレイジーな年であり、ある意味では再出発の年でもありました。たくさんの変化の中で数々の良いことが起こり、会社として今後目指したい方向へ大きくシフトできた1年だったと感じています。今後の数年でその成果がよりいっそう明らかになっていくことでしょう。しかし、これまでを振り返ってみると、小さな諸課題はさておき、思い描いた通りにいかなかったことはほとんどありませんでした。さて今年はどんな1年になるのでしょうか。

優れたチームメンバーが揃い、これまで以上に深い知識を持ち、さらに最新鋭の設備が稼働している今、これまで自分たちを守ってきた安全な箱のような枠を打ち破り、挑戦をするステージに自らを押し出し、新しい数々の取り組みをしてきました。そして、これまで以上に多くの人々とコラボレーションをして、同じ業界で切磋琢磨する仲間たちと広く関係を築く一年でした。

さて、今日はちょっと視点を変えて、私(ベン)がこれからの1年についてお話しします。ひとつ言えることは、昨年の取り組みすべてが、2025年に向けて本格的に動き出すための基盤を築いたということです。そして、自分たちの本領を試すには、創業から10周年という特別な年という、これほどふさわしいタイミングはないでしょう。

10周年がもう見えるところまできていると考えると、ちょっと不思議な気持ちが沸き起こり、なかなか感慨深いものです。醸造所立ち上げに必死に準備していたころが遙か昔の出来事のように感じられる一方で、もう10年か、と本当にあっという間だった気もします。この節目は、やはり振り返るには絶好の機会でもあります。2024年に行った変革を経て、10年が経った今もなお、私たちは自分たちのアイデンティティを再定義し続けていますが、これこそが今後も進化し続けるには必要不可欠なものだと考えています。

いずれにせよ、本当に重要なのは、再び自分たちが何者であるかを明確にし、内部でその認識を共有し、理解した上で、それを外に向けても発信していくことです。

しかし正直なところ、本当の意味で物事が落ち着き、再定義が完了し、その形で動き出すのは2025年の後半頃になりそうです。2024年が混沌の時期だったとすれば、2025年前半はまさに「狂騒」とも言える状況になるでしょう。その理由について説明します。

現在、私たちは国内のブルワリーと月に1回のペースでコラボを行っています。が、それに加えて、各月でもう1つ別のコラボ企画を進めています。それは、現在他の場所で活躍している元KBCの醸造チームメンバーたちとのコラボです。この取り組みは、私たちの10周年記念イベントまでの毎月続く予定です。

では、この記念イベントとはどんなものなのか。私たちが10年前に初めて造った最初のビール「はじめまして」が発売されたのが、2015年5月10日でした。それからちょうど10年後の2025年5月10日が、京都醸造の10周年の記念日です! これを祝うため、 詳細をすべてお話しするのはまだ早いのですが、当日(幸運にも土曜日!)にイベントの開催を計画しています。場所は、京都駅の北に位置する東本願寺の門前にできた新しい緑地「おひがしさん広場」で開催する予定です。

このイベントには、これまで私たちと共に歩んできた多くの仲間たち、そして設立当初からお世話になった方々にも参加してもらいたいと願っています。詳細はまた近いうちにお知らせできると思いますが、とりあえずこの日をカレンダーに書き込んでおいてください!

さて、お話は周年イベントから2025年1月から段階的に始まる既存のシリーズのアップデートに移ります。それは、終了するシリーズもあれば、新しいシリーズに置き換わるものや、調整や更新が加えられるものもあります。これらすべてが2025年のKBC(KBC 2.0)を反映するように目に見える形で変化します。そして、この大きな変更には、私たちが大切にしてきた「定番シリーズ」も含まれます。

すでにお知らせした通り、今年の実験的IPAシリーズとして「Hop Idol」が新登場します。しかし、これは始まりに過ぎません。今後数週間の間にこのアップデートについてさらにお知らせしていく予定ですので、ぜひ今後もブログ投稿にご注目ください!

もう一つの大きなステップとして、これまでに数多くの「京都限定」の単発リリースを行ってきた経験を活かし、通年販売する京都限定商品を導入します。このビールは容器内で再発酵を行い、時間とともに熟成・進化していく画期的な商品です。他のビールのように要冷蔵での保管は必要なく、セラー(涼しい場所)での保管が可能です。

試作品がすでに出来上がっていて、それを試したところなかなかの出来栄え。飲みやすく、個性豊かで、京都のクラフトビールファンが忙しい一日の終わりに楽しめるビールになると確信しています。また、クラフトビールに馴染みのない人々にもその魅力を知ってもらえる機会を創る、いわゆる「ゲートウェイビール」になることにも期待しています。

私たちは、京都という街がその人口に対しては多くのビアバーが存在する点で、日本を代表するクラフトビール都市のひとつとして素晴らしいと感じていますが、クラフトビールを気軽に手に入れることができる小売店の普及に関しては関東などの他の地域にまだ遅れをとっていると見ています。そビビールを通じて、京都がクラフトビールの都市として一層成長するとともに、すでに国際的にも評価が高い「食の街」としての地位をさらに高められるよう貢献したいと考えています。

もうひとつ、これまで「KBC 2.0」と呼んできたミニシリーズのビールは今後どうなるのでしょうか?

これらは、これからも5月の10周年記念まで継続してリリースします。

では、その後はどうなるのでしょう?
ポールが前回の投稿で共有したように、2024年に作ったビールから多くのことを学びました。それは「やるべきこと」も多く得ましたが、同時に「やるべきではないこと」も少なくありませんでした。この経験を活かし、まだ具体的な形は決めていませんが、最適な方法での醸造表現を続けていく予定です。

しかし、一つだけ確かなことがあります。それは、これからも探求を続け、楽しみながらビール造りをしていきたいということです。これこそが私たちのDNAの重要な部分であり、私たちがより良い醸造所になる方法だと信じています。

そう、2025年は特別な一年になるでしょう。まだまだ新たな挑戦が待ち受けており、未知の領域に足を踏み入れることもたくさんあるでしょう。それがどのように昇華され、形作られ、皆さんの前に披露できるのか、私たち自身も楽しみにしています!

ベンジャミン