THE KYOTOとのコラボ
控えめに言っても、2020年は異常な一年でした。新型コロナウイルスの大流行は地球上のすべての人々の生活を変え、世界中の中小企業が窮地に立たされました。京都醸造も例外ではなく、新しい世界に適応することは、まだ若い私たちのビジネスが直面してきた中でも最大の試練でした。いい面をあげるなら、この危機によって一歩下がって自分たちの会社を再評価し、この一年を生き抜くだけでなく2021年が栄えるよう、私たちとお客様にとって大切なことは何かを再考させられたことです。
こうして振り返ることで気づいたことの一つが、やっぱり京都という街と地元の人々にフォーカスしたいという気持ちでした。これを実現させる一つの方法が、私たちと同じくこの素晴らしい街の一員であることを誇りに思う地元の方々、組織、会社とコラボすることです。そうすることで、ビールを京都への感謝を示すだけでなく、ここに根付く人々や企業の努力を支援し可能にするプラットフォームにしたいと思っています。
コラボの第一弾はTHE KYOTOです。THE KYOTOは、京都の歴史に磨かれた文化を、京都に、そして京都以外にも伝え、さらに未来の「京都文化」についても議論し生み出していくという、高尚な目標をかかげて設立されたユニークな組織です。彼らのウェブサイトは街、文化、人々について興味をかき立てる質の高いコンテンツを継続的に掲載しており、それに関連するテーマのオンラインや対面のイベントも企画しています。他にも、コロナで窮地に立たされた京都の五花街の文化を未来に残すこと、京都大学の花山天文台の救済など、地域のために様々なクラウドファンディングにも取り組んでいます。
パンデミックによって京都を訪れる人は一夜にしてほとんどいなくなり、彼らの取り組みはより重要かつ困難になりました。これを受けてTHE KYOTOは「お取り寄せ」という新たなプロジェクトを立ち上げ、地元企業と協力してユニークなコラボ商品を開発して日本中に届け、家にいながらでもこの街の文化の一部が楽しんでもらえるようにしました。
詳細は後日にしますが、このコラボのコンセプトは日常的に楽しめるビールに、京都の日常的な要素を掛け合わせることです。そのため、飲みやすいドイツのビールをヒントに、京都の最も個性的で好みの別れる「京番茶」を組み合わせました。このお茶のスモーキーな要素は今では好き嫌いが分かれるものというイメージを持たれていますが、何世代にもわたり、京都の一般庶民の日常的な飲み物だったのです。このビールは確かに伝統的な京都を現代風にしたものだ、と納得していただけるでしょう!