KBC2.0の振り返りとこれから
「KBC 2.0」についてこれまで連続して取り上げてきましたが、回を重ねるにつれ、京都醸造がこれからどういったことをしようとしているか少しずつ分かってもらえたと思います。これまでのシリーズとは別に、リリースされた限定ビールのことや、原材料の調達方法、そして新しいヘッドブルワーであるジェームズがKBCにもたらすもの、そして彼の知識をKBCの持つ要素とどう組み合わさっていくかについても触れてきました。今回は、これから登場するKBC2.0のビールをお知らせしたいと思います。
クラフトビールといえば、その多くの話題がモダンでホッピーなビールについて語られることが多いので、私たち京都醸造も今後の新しい方向性がそのようなビッグで大胆なスタイルにどんどん近づいていくのでは、と思われているかもしれません。しかし、それは私たちが本当に目指す方向ではありません。もちろん、最近ではウェストコーストからヘイジーIPA、セッションIPAやインペリアルIPAに至るまで、様々なIPAを造ってはいますが、どうせ造るのであれば、質の高いIPAを作りたいと考えています。しかし、私たちが造りたいのはもちろんそれだけではありません。
最近、私たちは「洒落 - Sharaku」という名前の2つのイングリッシュスタイルのビールをリリースしました。ホップに焦点を当てた「KBC 2.0」の新しいビールシリーズから途端に離れたスタイルの登場に、すこし驚かれる方もいたかもしれません。しかし、繰り返しになりますが、私たちが既存のラインナップの見直しや新しい方向性について取り組むのは、これまで大切にしてきたものを放棄することでもなければ、ホップに焦点を当てていこうというものでもありません。
では、私たちが再び京都醸造の在り方を見直し、アップデートしたポイントは、「挑戦し、探求し、学び、そして最終的に飲んで美味しさを共有したくなるビールを作ること」です。たしかに、今年になってこれまで以上にホップの個性を効かせたIPAを多く作ってきました。それは今年、京都醸造に加入したヘッドブルワー、ジェームズが得意とするホッピーなスタイルに関する豊富な経験や知識を私たちに持ち込んだ結果であり、また、それ以前に作ってきたさまざまなスタイルの中で、ホッピーなビールは少し抑えめに造ってきたので、尚更変化が大きく感じられたかと思います。これも先に述べたように、京都醸造にとっては新たな挑戦であり、探究と言えます。そして、これらの取り組みはホッピーなビールにとどまらず、アメリカンスタイルやベルギー、ドイツのスタイル、さらにはイングリッシュパブエール「洒落 Sharaku」のようなニッチだけど抜群に美味しいスタイルにも挑戦しています。
この流れで、今後のリリースに少し触れると、モザイクホップに焦点を当てた「真行草」3部作、その後にメキシコにインスパイアされた2つのビールのリリースが待っています。もちろん、メキシコと言えばでコロナビールを想像した方がいれば、大きく裏切ることになるでしょう!メキシコの飲み物であるオルチャタや、メキシカンコーヒーに着想を得て、「メキシコの昼と夜」をテーマに造る2種類のビールです。さらに、次のホップを取り上げるシリーズでは、大人気ホップ”ネルソンソーヴィン”を使った3部作が登場します。
2024年内に予定されているKBC 2.0のリリースは以下の通りです:
真行草の行(ヘイジーIPA)10月6日
真行草の草(オーツクリームDDH DIPA)10月13日
一昼夜(メキシカン"オルチャタ"ホワイトミルクスタウト)11月2日
一昼夜(メキシカンコーヒースタウト)11月9日
豊醸(ネルソンソーヴィン・ベルジャンペールエール)11月23日
豊醸(ネルソンソーヴィン・グレープロゼIPA)12月7日
豊醸(ネルソンソーヴィン・グレープホワイトIPA)12月21日
言うまでもありませんが、来年2025年に向けた新しいリリースについてもすでに多くの計画があります。 詳細は順次おしらせしていきますので、今後のリリースをぜひ楽しみにしてください!