Black is Beautiful世界中のコラボ - パート2
私たちが初めてBlack is Beautifulというコラボレーションの機会にふれたとき、問題は参加すべきかどうかではなく、私たちが参加することがどう受け止められるかでした。これは特に、黒人でも日本人でもない私たちが、均質だと思われがちな国から参加するからです。人種と平等に関する質問はここではデリケートな問題なので(通常は完全に避けられます)、ビールのコラボレーションを通じてBlack Lives Matterに存在するコラボの根幹についてコミュニケーションすることはより一層難しくなっています。本質的に難しい問題であるにも関わらず、私たちはこれを“異なる”とはどういうことなのか、それによって異なる扱いを受けるべきなのかという疑問を提起する重要な機会ととらえています。
日本にはアフリカ系の人種、近隣の中国や韓国の人々、あるいは単に一般的な“日本人”という基準に合わない人々に対して人種差別や差別がないわけではありません。そんなことはないと思う方は、日本の先住民族であるアイヌの方々の状況や、もっと身近な京都の例で言うと、日本の封建的階級制度の最下層であった被差別民の子孫、部落民について考えてみてください。それが難しければ、私たち3人が国籍だけでアパートを借りることを拒否されたり、クレジットカードが作れなかったりしたことお話ししましょう。
気を付けて欲しいのは、少数派とは必ずしも特定の人種、民族や社会的背景に関係しないことです。太りすぎの子供たちや、キャリアを重視する管理職の女性(もしくはそうなりたいと思う女性)、日本で生まれ育ったのに外国人のように見える人々は、いずれも日本社会においてひどいいじめや仲間外れの対象となるグループの一例です。彼らがこのように扱われるのは、悪い人々だからでしょうか、それとも生まれながらに何か悪いところがあるからでしょうか?違います。彼らが社会的にのけ者とされるのは、単に周りにいる人々がこのような表面上の違いを受け入れられないからです。
私たちを応援してくださる方々やお客様にとって、この話やコラボレーションの発端をご自身と関連付けることが難しいことは理解しています。それでも私たちが参加することが、少数派とは何なのか、少数派の人々は異なる扱いを受けるべきなのかを考えるきっかけになればと願っています。少数派とは何なのか?もし自分が少数派の一員だったらどう感じどんなふうに扱われたいだろうか?これは私たちがこのコラボに参加することでみなさんに自問していただきたい質問のほんのいくつかです。そうすることできっともっとお互いを受け入れ、異質にに見える人々に対して寛容になれるでしょう。これができる人が増えれば増えるほど、日本はより多様性を受け入れることができるようになるのです。
コラボの理念に則り、私たちはこのビールの収益を京都弁護士会が運営する“京都府人権リーガルレスキュー隊”に寄付することにしました。この法的支援基金は、弁護人を求めていけれども支援なしでは弁護費用を賄う手段のない人々を支援するものです。彼らの活動は多岐にわたり、国籍、性別、社会的背景、年齢や身体的障害によって不当に扱われてきた人々を代表しています。この寄付によって多様な背景を持つ人々が彼らの“異なる”性質を周囲の社会が受け入れられなくなったときに正義を享受できることを願っています。
Ben、Chris & Paul
京都醸造共同創業者