定番の仲間入りした「週休6日」

私たちが定番と呼んでいる商品グループに新しいものが加わるということは、これまでありませんでした。クラフトビールの醍醐味といえば、なんといっても種類の幅広さであったり、時には実験的、挑戦的なコンセプトのビールもあるというところだと思っているのですが、そんな中でも私たちが定番商品にこだわるのには理由があります。それは、醸造所を代表するビールであることやブランドを体現するような味わいのビールが飲みたいときにそばにあること。そうした存在意義と味わいがうまくフィットしたときに、いつまででもくり返し飲んでいたいようなフラッグシップビールになると考えています。

 

特別な限定醸造というのは、ちょっと尖ったコンセプトにインパクトを与える個性がつきもので、飲んでみたい!という興味はそそるが、立て続けに2,3杯飲めるかどうかはさして重要ではないことが多い。つまり、何杯でも飲めるような飲みやすさよりも、未知なる味わいへの興味が人々を惹き付ける。一方で、定番と呼ばれるいつでも手に入るお決まりのビールの存在意義は異なる。京都醸造が産声を上げた時から、私たちはセゾン、ベルジャンIPA、ベルジャンスタウトの3種類を定番にしたいという思いを持っていて、それは今でも変わることはありません。2021年に創業以来初めて、この3種の定番を見直し、今の私たちの飲みたいビールへと微妙な調整、アップデートを行いました。それを経て、これまでと変わらず京都醸造を代表するビールとして自信をもっておすすめできる定番があります。

 

しかし、私たちが飲みたいビールという意味では、この3種以外にも頭に浮かぶビールがありました。それは、2016年の暮れに限定醸造として初めて登場して以来、根強い人気の「週休6日」です。バージョンを経るごとに、レシピに調整を加え、現在の味わいに落ち着きました。これまで年に1,2度造ってきましたが、他の限定醸造を差し置いて、造るたびにやっぱりおいしいビールだなぁ、という思いを強くしてきました。ジューシーなホップの香り、ライトなボディと絶妙な塩梅のモルトの個性。そして何より、ドライな口当たりが心地よく、何杯でも1日中でも飲んでいられるビール。

 

これまで樽生ビールをメインにしていた頃は、4種類の定番を抱えるのに苦心し、3種類に落ち着いていましたが、缶ビールでのリリースも増えてきた今は状況が変わってきました。週休6日もその一つで、樽よりも缶商品での反応が良いことから、この度、定番の仲間入りをすることになりました。これで皆さん(私たちも?!)が週の大半を休日気分で過ごせるようになるといいなと企んでいます。しかし、醸造量やペースにも限界がありますので、週休6日は缶の方に比重を置いてリリースしていくことになりますが、これからは他の定番と同じく、いつでも飲みたいときに飲めるビールに週休6日というチョイスが加わります。

皆さんに、もっとのんびりした休日気分が訪れますように・・・

 

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