鴨川のほとりで (By the Kamo River)

鴨川は京都を形作る景観の要素として欠かせないものとなっている。京都の北の山々に源流を持つ賀茂川は、出町柳のあたりで高野川と合流して鴨川となる。京都の繁華街のすぐそばを南へと下り、桂川と合流したのち、やがて大阪湾へ流れ込む。そんな鴨川は運動したり、バードウォッチングをしたり、時にはボッチェに興じたり、ピクニックの場にもなれば、デートの場所にもなる。そんなことで、地元の人にも、また観光客にもいろいろな空間を提供している。もちろん、ただ単純にリラックスしたり、一人想いにふけるにはもってこいの場所でもある。

我々が親しみをこめて『大ちゃん』と呼んでいる彼が切り盛りをしている"かもがわカフェ"についても、同じことが言える。自家焙煎を行っているカフェは少なくないが、大ちゃんの焙煎の方法は一風変わっていると言えるだろう。彼はロースターマシーンなどといった機械に頼らずに、一回あたり100グラムずつタイマーを片手にコンロで自家焙煎しているのだ。

こうしてできたコーヒー豆は「自家製」と呼ぶにふさわしく、彼はそのを何年となく続けている。彼の本棚には今までの試行錯誤の結果が事細かに記録として残されており、ちょっとした火加減が出来上がりの違いに出ることなど、彼のコーヒーに取り組む姿勢がそのまま表れている。数か月前、共通の友人を介して、我々は幸運にも大ちゃんと知り合ったのだが、ようやく今になって念願のコーヒービールを一緒に造ることができた。

今回のビールのために大ちゃんが特別にブレンドしたコーヒーの良さを生かすため、コーヒーの風味を全面に出すこととした。このため、『鴨川のほとりで』はコーヒービールというよりも、ビールコーヒーと呼んだほうがいいかもしれない。香り、味わい、そして見た目までもが、コーヒーっぽいこのビールの味わいを最大限に楽しめるよう、今回はわざと炭酸を弱いめに抑えた。 鴨川で物思いにふける片手には、このビールか、また大ちゃんの淹れたコーヒーがあればうれしい。

ネーミングについて: 京都の中心を流れる鴨川は、様々な人にとって癒やしの場となっている。その鴨川のすぐ近くにある「かもがわカフェ」も同じ存在だ。今回の「鴨川のほとりで」は、かもがわカフェの自家焙煎コーヒー豆の良さを最大限に活かし、ちょうど鴨川のほとりでコーヒー片手に時の流れを忘れるように、ほっと一息つくことができるビールとなっています。

スタイル: ビール・コーヒー

モルト:
Maris Otter, Oat, Light Crystal, Chocolate, Carafa Special 2, Roast Barley

ホップ:
ビタリング - Merkur

その他:
コーヒー豆 - ダイちゃんが厳選したオリジナルブレンド(エチオピア産・コロンビア産)

酵母: US-05 American Ale (乾燥酵母)

ABV: 5.8%

IBU: 27

ガスボリューム (炭酸ガス含有量): 2.1