湘京折衷 (Shoukyou Secchuu)

一店舗に樽を1本まで

偶然の出会いは2014年のデンバーにさかのぼります。クラフトブリュワーズ会議(略してCBC)にひとりで来ていた湘南ビールのヘッドブルワー・筒井貴史氏は泊まるところがなくて困っていたところで、京都醸造のメンバーがみんなで借りていた家のソファーを提供したことがきっかけとなり、そこから1週間、たくさんのビールを飲んで、笑って、気がつけば友人となっていました。そして、今年フィラデルフィアで開催されたCBCでも、また同じことを繰り返しました(つまり、飲んだくれた)。さらにもう一つ偶然が重ねっていて、今年のけやきひろばビール祭は共同ブースによる出店をする必要があったのですが、お互いにそれぞれ共同ブースのパートナーを探していた、ということで、ここまでくると偶然にしてはできすぎるぐらいの話かもしれません。

今回のビールは、まずお互いの醸造所が用意できるオーストラリアとニュージーランドを組み合わせるところからレシピの組み立てを始めました。このホップのユニークな特徴をどうやったら生かせるのか考える中で、お互いの醸造所の個性を両方とも取り入れたレシピを考えた際、ベルジャンセッションIPAでは京都醸造っぽすぎ、IPLでは湘南ビールっぽすぎるという壁に突き当たってしまいました。・・・それならいっそ、2種類のコラボビールを仕込んで、けやきひろばのブースで出したらどうか?という発想に行き着きました。コラボをするなら、レシピは全く同じにして、イーストだけを変えたものを造ろう、ということで出来たビールが『湘京折衷』です。京都醸造バージョンはアメリカンウィートスタイル、湘南ビールはウィートラガースタイルで仕上げています。

名前の由来 コラボレーションをして仕込む際の精神は、それぞれがお互いの得意とするやり方から少しばかり踏み出して歩み寄り、新しい地平を獲得するところにある、と思っています。はるか昔、明治時代に文明開化とともに西洋の文物が入ってきたときに、それをうまく解釈・吸収する姿勢が『和洋折衷』という言葉に表されていて、それに通じるものがあると思い、『湘』南ビール、と『京』都醸造のコラボレーションにちなんで、『湘京折衷』としました。

スタイル: アメリカンウィートエール

モルト:
Pilsner, Wheat, Oat

ホップ:
ビタリング - Nelson Sauvin
味・アロマ - Nelson Sauvin, Galaxy

酵母: US-05 American Ale

ABV: 5.0%

IBU: 23

ガスボリューム (炭酸ガス含有量): 2.2