2026年9月18日、京都醸造が京都の中心部に初めて構える直営店「Kyoto Brewing Tap Stand」が、いよいよプレオープンを迎えます。
京都には魅力的なエリアが数多くありますが、国内のみならず世界中から多くの人が訪れる街だからこそ、「ちょうどいい場所」を見つけるのは、そう簡単なことではありません。これまで京都駅周辺や祇園、東山、烏丸通沿いなど、さまざまな場所をそんな視点で見てきました。そして、私たちが最初の街なかの直営店の場所に選んだのが、木屋町です。
鴨川のすぐ西側を流れる人工の運河、高瀬川。その川に沿って南北にお店がひしめく木屋町と先斗町。木屋町は京都を代表する夜の繁華街のひとつで、日が暮れ、店々に灯りがつきはじめると、昼間とはまた違った、個性的な街の表情を見ることができます。
木屋町の四条通より南側は、比較的ゆったりとした落ち着いた雰囲気。四条から北へ進むにつれて少しずつ賑やかになり、三条通あたりまで来ると、夜遅くまでとても賑やかで、ときにはちょっと混沌とした独特の雰囲気すらあります。そこには、普段私たちが思い描く「京都」とはまた違う、もうひとつの京都の顔があります。
そんな木屋町を木屋町たらしめているのは、やはり南北にさらさらと穏やかに流れる高瀬川の存在ではないでしょうか。
江戸時代、嵐山の大堰川で物流の礎を築いた商人・角倉了以が手掛けたとされる高瀬川は、鴨川から水を引き、北から下ってきた船が通行し、物資を積み下ろすために使われていました。「木屋町」という名前も、船で運ばれてきた木材がこのあたりで荷揚げされ、材木商が集まっていたことに由来するといわれています。
今ではその役目を終え、すっかり街の風景の一部となった高瀬川。以前、フランスから来た友人がこの場所を見て、「高瀬川こそが木屋町の魅力だね」と言っていたことがあります。私たちも、まさにその通りだと思っています。
そんな私たちは以前から、京都の街なかにビアスタンドをつくりたいと考えていました。ふらっと気軽に立ち寄って、ビールを一杯買って、スタッフや隣で飲んでいる人とも気軽に談笑する。まさに醸造所併設のタップルームで、常連さんも遠くから訪れた方も一緒になって楽しんでいるような空間を、街の中でもつくれたらと思っていたのです。
そしてもうひとつ、京都という街ならではの魅力も一緒に楽しめる場所にしたいと考えていました。
高瀬川や鴨川、あるいは京都に数多くある素敵な屋外の空間。ビールを片手に街を歩いたり、川沿いでゆっくり過ごしたり。そんな楽しみ方ができる場所です。
そんなとき、幸運にもこの木屋町の店舗でお店を出す話が舞い込んできました。
2年ほど前、デンマークのクラフトビール醸造所・Mikkellerが、THE GATE HOTEL 京都高瀬川 by HULICのすぐ南側、高瀬川沿いにタップルームをオープンしたときのこと。彼らの参入によって京都のクラフトビールシーンがさらに盛り上がることを嬉しく思う一方で、正直、少しうらやましくも思っていました。そこは、私たちが思い描いていた場所のイメージに、とても近いものだったからです。
時をさかのぼること今から数か月前。Mikkeller Japanの責任者であり、友人でもあるハミルトンと久しぶりに話す機会がありました。何気ない会話が少しずつ思いもよらない方向へ進み、気がつけば「この場所を京都醸造に引き継ぎたい」という話になっていました。
そして、私たちが以前から思い描いていた「街なかのビアスタンド」と、京都という街ならではの魅力を一緒に楽しめる場所が、思いがけない形で目の前に現れたのです。
私たちにとっては、まるで夢が現実になったような、思ってもみなかった話でした。嬉しさのあまり、舞い上がるような気持ちを抑えるのが難しかったことを覚えています。
その後、急ピッチで準備を進め、いよいよ明日、9月18日に「Kyoto Brewing Tap Stand」としてプレオープンします。
……とはいえ、実はまだ内装や外壁の工事が終わっていないところもありますが(笑)。
まずはソフトオープンという形で、以前の姿を大きく残した状態からのスタートです。店内には、小さなバーカウンターと4席のカウンター席、そして立ち飲みスペースを用意しています。店外にも腰掛けてビールを楽しめるベンチがあり、さらに北側には大きな芝生の共有スペースがあります。ビールを片手に、外でゆっくり過ごしていただくこともできます。
9月18日からは、8タップの樽生ビールと少しのオリジナルグッズ、そして軽いおつまみの販売からスタートします。
お店の雰囲気は、しばらく以前の姿を残しますが、営業を続けながら、店内のインテリアや外壁を含め、全体の雰囲気も少しずつ、そして大きくリニューアルしていく予定です。そして近い将来には、持ち帰り用の缶ビールも販売できるようにしたいと考えています。
営業時間は14時から23時まで。ラストオーダーは22時30分です。
プレオープンの日が、ここを訪れる皆さんにとって楽しい一日になればと思っています。
そしてこれから、この場所が、京都の街を訪れる人も、暮らす人も、京都醸造のつくるビールを介して集まり、語らい、楽しめる場所になっていけば嬉しく思います。
高瀬川のほとりで、まずは一杯。京都醸造の新しい挑戦の一ページを、ぜひ気軽に覗きに来てください。
Kyoto Brewing Tap Stand
604-8023 京都府京都市中京区備前島町310-2
平日:16時~23時(L.O. 22時30分)
土日祝日:14時~23時(L.O. 22時30分)