毬太郎 (Kyutaro)

私たち京都醸造は伝統的なベルギーのビールに、新しいスタイル、原料、醸造技術を取り入れて未知の領域に踏み込んでいます。今回の仕込みではまた新しい領域に踏み込みました。それも危ないくらい高い領域に。IPAというスタイルはベルギーでは主流ではないなか、私たち京都醸造は様々なベルジャンIPAに挑戦しています。そして今回は今までのものとは一味違います。“Tripel meets Triple IPA”をテーマに、アメリカで流行の強烈なトリプルIPAに、ベルギーの伝統的なトリペルを掛け合わせました。ホップを大量に投入するNE IPAにも負けず劣らず、今回のビールには欧州産のホップ(Tettnang, Saaz, Saphir)を贅沢にも14g/Lも加えています。その結果、伝統的なホップのハーバルな特徴がアクセントとなった、フルーティーかつスパイシーな酵母の香りが豊かな仕上がりになりました。そしてこれらの香りは、ふくよかで体が熱くなるようなアルコールの味わいとともに広がります。このビールはなんと、京都醸造のIPAの中では初めてアルコール度数10%に到達しています!

名前の由来:ベルジャンIPAファミリーは毬男から始まりました。アメリカ西海岸スタイルの個性をを強く打ち出した毬男は、おなじベルジャンIPAの定番である一意専心の兄貴のような存在です。そのあとすぐに、現在のアメリカのトレンドに合ったよりやさしくてひかえめな毬子を家族に迎えました。しばらくのあいだ兄と妹は季節ごとにみなさんの前に現れていますが、今回はめったに会えない親戚の毬太郎がベルギーからやって来ました。彼は出身であるヨーロッパに古くからあるホップの特徴をしっかりもっているので、トロピカルでフルーティなホップに頼る必要がないことをアメリカナイズされた親戚たちに示しています。代わりに彼のとても高いアルコール度数はファミリーに存在感を与えています。日本人の伝統的な名前の付け方についてちょっと説明するならば、太郎というのは長男を意味する男性の名前で、ホップの花を表す日本語である毬花(まりはな)の毬を(きゅう)と呼んで掛け合わせています。わたしたちと同じように、ぜひみなさんも彼を暖かく家族に迎えてください。?

スタイル:
ベルジャン・トリペルIPA
モルト:
Pilsner
その他:
グラニュー糖
ホップ:
ビタリング - Merkur
味・アロマ - Tettnang, Saaz, Saphir
酵母:
Belgian Ale
ABV:
10.0%
IBU:
54
ガスボリューム (炭酸ガス含有量):
2.4