朧月 (Oboro)

京都醸造ではハウスイースト(採用しているメイン酵母)としてベルジャンエール酵母を使っていますが、かといって伝統的なベルギービールに取り組むことはとても稀なことです。
古典的なベルジャンウィットを現代風に解釈し作ったこのビールでは、小麦とオーツ麦の全体の半分は麦芽化していないものを使い、さらにフルーティーで爽快な印象を与えるために現代を代表するようなホップを従来のコリアンダーとオレンジピールの代わりに採用し、従来のウィットとは違うひねりを与えました。
仕上がりはソフトですっきり爽快な口当たりで、ベルジャン酵母特有のスパイス感やホップが織りなすトロピカルフルーツのような印象がしっかり残るベルジャンウィットです。また、苦味を与えるホップを入れないことで、しつこい甘みやエグさもでず、程よい麦の甘みを味わえる仕様です。もし古典を現代風にツイストするとしたらこのようなビールになるのではないでしょうか。

名前の由来: 思いがけず夜空に浮かぶ満月に出くわすと何とも嬉しい気分になるのは自分だけではないはず。またうっすらと雲がかかり、まん丸の輪郭が溶けてしまったような朧月もまたなんとも言えない趣があってよし。
電車の時刻表や定規で引かれた線のようにはっきりとした物事は現代を生きる私たちには必要なことだが、はっきりしない物事もまた、面白さや奥ゆかしさを私たちに喜びを与える。
空に浮かぶ朧月は私たちに問いかける。
”はっきりしすぎてはいないか?”

スタイル:
ベルジャン・ウィット
モルト:
Pilsner, Malted Wheat, Malted Oats, Flaked Oats
ホップ:
ビタリング - None
味・アロマ - El Dorado, Azacca, Amarillo, Citra, Cascade
酵母:
Belgian Ale
ABV:
5.0%
IBU:
13
ガスボリューム (炭酸ガス含有量):
2.5