よみがえる鷲 (Return to Köln)
ケルシュというスタイルのビールは京都醸造にとって特に馴染みのあるスタイルではありません。私たちは伝統と革新を結びつけるため、ベルジャン酵母とアメリカンホップや新世代ホップのハイブリッドに焦点を当てることが多いです。それと同じくらい、アメリカンIPAや「クラフト」と呼べるビールも大好きなので、まさにアメリカンスタイルといったビールも造ります。では伝統的なドイツのエールを造るというのはどういうことなのでしょうか。 それには2つの考え合ってのことです。1つ目はより多種多様な「ハイブリッド」のビールを造るため、2つ目はよりバランスの取れたビールラインナップにするためです。新天地(ラガー)、重見天日(アメリカンブロンドエール)、永遠に(ベルジャンブロンドエール)など、今年リリースしたこれらのビールは非常に気に入っています。そしてケルシュはここ最近の真夏にはぴったりなんじゃないでしょうか。 そして考えました。古き良きドイツの職人が、より近代的な醸造技術を知っていたり、醸造用に特別に栽培されたより高品質な原材料を使えたとしたらどうなるのか、と。優れた職人ならばきっと、さらなる改良や独自の技術を求め挑戦し続けるでしょう。 そこで私たちは、伝統的なケルシュに現代的な解釈を加えることにしました。酵母とモルトは100%ドイツ産であり、伝統的なスタイルに則っています。ホップの品種とその使用法は現代的な解釈を加えています。品種は100%ドイツ産ですが、19世紀のケルンの職人に馴染みのあったものではありません。Polarisという品種はオイルを豊富に含み、豊かな香りを生み出します。Mandarina BavariaとHallertau Blancはタンジェリンやブドウ様の柑橘の香りを醸し出します。これらのホップは、Hazy IPAでよく用いられるバイオトランスフォーメーションを促すために、ワールプールの工程やドライホップで使用しています。 その結果、非常に満足のいく仕上がりになりました。伝統的なケルシュよりも間違いなくホップが効いていますが、優しい柑橘とストーン系のフルーツの香り、そしてほのかなミントのような爽やかな香りがピッタリと調和して飲みやすい仕上がりになりました。伝統と革新に乾杯!
名前の由来: 先人の築いた歴史や伝統、技を顧み、基本に立ち返ることはビール造りにおいても大事だ。ドイツの中西部の古都ケルンには、時を経ても揺るぎない伝統的なビール”ケルシュ”が存在する。今回私たちはこの”古典”へ思いを馳せ、ドイツの酵母、麦芽、ホップを使いアプローチしてみた。ただ、ホップは現代風のアレンジをしっかり効かせた。 その昔、大聖堂の遥か上を優雅に飛んでいた伝説の鷲が時空を超えて現代に蘇ったら、というのを空想しながらゆっくり飲みたいどこか新しいケルシュ。
- スタイル:
- ホッピーケルシュ
- モルト:
- Pilsner, Vienna
- ホップ:
- ビタリング - Polaris
- 味・アロマ - Mandarina Bavaria, Hallertau Blanc, Polaris
- 酵母:
- Koln Kolsch Style Ale Yeast
- ABV:
- 5.5%
- IBU:
- 18.5
- ガスボリューム (炭酸ガス含有量):
- 2.6
- ボトルJANコード:
- 4589718740270