側車の相棒 (Sidecar Companions)

このビールはこれまでで一番ユニークで且つ挑戦的なものだといえるでしょう。私たちの友達、台湾のTaihu Brewingとのコラボレーションとして取り組んだ今回の作品はそれぞれの醸造所の持ち味を取り上げ、”サイドカー”というカクテルをセゾンスタイルのビールで表現することになりました。

オレンジリカーとコニャックを使ったカクテル、”サイドカー”では仕上げにレモンを絞ることで爽やかな果物の印象がほのかな酸味と共にアクセントになります。これらのリカー類を使わずにサイドカーの個性を表現するのは容易なことではないのですが、意見交換の末にオレンジジュースとオレンジピール、ウッドチップを使ってよく似た個性を出せないかということになりました。

その結果、搾り汁はしっかりとオレンジの柑橘香をビールに与えただけでなく、オレンジピールのフルーティーな香りや風味はレモンに通じる印象を残しました。そしてハウス酵母であるベルジャン酵母の働きにより、サイドカーのベースにある酸味を活かすシャープな特徴とドライな飲み口が生まれ、ビールらしくなってきました。そして、最後に木樽で熟成されるコニャックの要素を生むために、木樽の材料に使われるフレンチオークのウッドチップを加えました。

これまで京都醸造で仕込まれたビールの中で最もユニークでTaihuのメンバーと心底楽しみながら取り組んだこの「側車(サイドカー)の相棒」をリリースできて喜ばしく思います。実際に口にされた方にその1杯から京都醸造らしさとTaihuらしさを同時に感じてもらえたら尚いいですね。

名前の由来:このビールは一言でいうと「旅」がテーマになっています。台湾のTaihu Brewingとのコラボレーションで、短期間のうちにTaihuのメンバーを京都へ迎えたり、私たちが台湾へ行ったりしながらそれぞれの地でビールの醸造をしました。

未知なる地への探検として、京都で共に仕込んだコラボでは私たちにとって初めてカクテルを意識したビールに取り組むことになりました。しかも今回ビールで表現しようとしたカクテルの名前は”サイドカー”。Taihuと一緒にシートに乗りこみ、ビールの可能性を探求する旅に一緒に出発するというイメージです。あなたもこの冒険に乗り遅れないようにね!

スタイル:
フルーツ・セゾン
モルト:
North American 2-row
ホップ:
ビタリング - Merkur
味・アロマ - なし
その他:
オレンジジュース(濃縮還元)、オレンジピール、グラニュー糖、ウッドチップ
酵母:
American Ale + Belgian Ale Blend
ABV:
7.5%
IBU:
10
ガスボリューム (炭酸ガス含有量):
2.5